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お茶の稽古を終えて、家に向かって歩いていた。

一瞬、草履の裏に違和感を覚え、見てみると‥‥
あれー!  
草履の底がころがってるじゃないですか?!

底がはがれちゃったんですね。

こんなことは初めて。

すかさずひろって歩き始めたものの、極薄草履になってしまったので左右の高さが違い、歩きにくいのなんの。

幸い夕方だったので薄暗く、誰とも会わなかったので人に見られることなく家に着きました。
もとから安い草履ではあったんですが、樹脂製の底を接着剤で貼っただけなんですね。

またボンドで貼るという選択肢もあったけど、改めて見るといろいろ傷んでいたので廃棄することにしました。
でも、この草履は歩きやすいので普段にはくのに重宝していたんですよ。
思えば10年くらいたっている。
経年劣化ということで、いたしかたないです。

しかし、家の近くでよかった!
しかも、誰にも見られなくて。
銀座などでこんなことになったらどうしたらいいの?

私の友人の草履は底の前半部がはがれて、ワニが口を開いたようになったとか。
その話を聞いたときは大笑いしたけど、今度は私が笑わせる番だ。

泊まったのは非常にクラシックな(古い)旅館。
建物は大正時代のものということで、すでに100年に達しているとか。
もとは代議士の別荘だったのを改築して旅館にしたものだそうだ。

私は古いもの好きなので、この宿が気に入っていて泊まるのは2回目。

前に泊まったのは2019年の10月。
今思うと、コロナが流行る直前だったんですね。

そのことを仲居さんに話すと、

「2年ぶりに来はったんですね!」

ととても喜んでくれた。
2年前に担当した仲居さんも顔を見せてくれて再開を喜びあった。

話を聞くと、コロナが流行っていた時はお客も全然なくて、毎日出勤してもすることがないので掃除やメンテナンスに明け暮れていたとか。
経営者も大変だったでしょうね。
21年の秋からようやくお客が増えだしたそうだ。

お客さんの中には、コロナで海外旅行に行けないから国内を旅行しているという人もいるそうだ。

「国内旅行もいいね」

と言っていたそうだ。
(私の友人にも同じことを言った人がいた)

また、旅行したいけど近所の目が怖いという人もいたそうだ。
それでも旅行したかったらしく、人目のない早朝に家を出て、荷物も極小にとどめてその宿に来たとのこと。
大きい荷物を持っていると旅行だってばれるから。
普通なら友人を誘うところだけど、人を誘える状況でもないのでひとりで。

コロナ禍での旅行、苦労しますね。
私はコロナにかかるほうが嫌だから、旅行は我慢してましたけど。

こんな話を仲居さんとできるのも昔ながらの旅館だから。

夕方、宿に戻ると部屋に明りがついていて、暖房で温まっている。
お茶とお菓子を持ってきてくれる。
夕食は一品ずつ部屋まで運んでくれる。
料理はとてもおいしい。

宿を出るときは、昨日は濡れていた傘を乾かして綺麗にたたんで渡してくれる。
私たちの姿が見えなくなるまで、玄関の前で見送ってくれる。

好き好きはあるでしょうが、私は伝統的な京都の旅館は結構好きだな。

2日目は永観堂へ。
ここは紅葉の名所として有名な所。
以前、来たことがあるけどその時は夏だった。
「紅葉のときに是非来たい」
と思っていたので、念願を果たしました。

紅葉はすでに名残りになっていたけど、まだまだ綺麗。
人も少なくてラッキーでした。

永観堂を出ると、そのあたりは南禅寺別荘群。
明治期の大金持ちが建てた別荘がいくつも立ち並ぶ地域だ。
「行ってみたいなあ」と思っていたけど、どこにあるのかいまいち不明だったが、偶然にも目の前にあった。
NHKの番組でよく見た街並みがそこに。

でも家を公開しているわけではなく、高く長い塀が続くばかり。
どんな家があるのかもうかがい知れないが、「すごい家ばかりだ」ということはわかる。
時代につれて持ち主が何度も変わっているそうだが、そのときどきの金持ちが持ち主になっているらしい。
現代でもなお。
はあー。

その界隈をウロウロしていたら、「琵琶湖疎水記念館」を発見。
「記念館」とか「資料館」の類が好きな私は、即、入ってみた。

琵琶湖疎水が何のために作られたか、誰が作ったのか、どのように使われたのか、わかりやすく説明されていました。
「なるほど、そうだったんだ!」
と納得。
明治維新後の京都の歴史の一端を知ることができて有意義でした。

その疎水が今なお流れていて、南禅寺の境内にある水路閣を勢いよく流れているのを見て驚いたことがある。
別荘群の庭の池にも使われていて、界隈を流れる小川の水音が響いている。
多くの先人の努力のおかげなんですね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　天龍寺

コロナ流行のためずっと旅行をしていなかった。
京都は2019年1０月に行ったきり。

コロナがだいぶおさまってきたので、久しぶりに出かけてみました。

京都駅からJR山陰線で嵯峨野へ。
沿線の住宅地を見ていると、その密集ぶりに驚く。
長屋のようにくっついて間口の狭い家々が建っていて、息苦しいようだ。
どうしてこうなっちゃったのかな。
古い町だし、空襲もなかったから区画整理ができないままなのか。

京都は何度も来ているので、行ったことがある所が多い。
嵯峨野も4～5回は行っているはず。
でも、義父母ときた時、娘ふたりを連れてきた時と、その都度思い出がある。

「あの時、お義母さんがこう言ったっけ」
「娘があの床几に座ったな」

など、思い出を訪ね歩くような趣がある。
今は夫とふたりだけだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大河内山荘

嵯峨野に行くといつも大河内山荘に行く。
まさしく「敷紅葉」の言葉がふさわしい風景。
人もあまりいなくて、とても良かったです。

ここは俳優の大河内伝次郎が30年ほどかけて作った庭。
だからほかの京都の庭とは成り立ちが違う。
踏み石や草木のひとつひとつに大河内の思い入れがあるはず。

しかし、庭に囚われる人っていますよね。
庭作りに魂を取られちゃう人。

今も大河内伝次郎が成仏しないでこの庭にいるような気がしてちょっと怖い。
でも霊魂では何もできないから、歯がみしているのでは?

「ああ、茶室の屋根!  傷んでるやないか! 早く修理してんか!」
「木はもっと切らんと!　景色、見えへんやろ?」

などなど、文句、言ってるんじゃないですかね。

大河内山荘を出て、小倉山を歩いていたら竹林の中に家が見え隠れしていた。
垣に囲まれて家は見えなかったけど、表札を見たら、「ピーター・J・マクミラン」とあった。
これは朝日新聞に「詩歌翻遊」という連載をしている方ですね。
そういえば、以前に「小倉山に家を持った」というようなことを書いていらっしゃった。
抑えた筆致ながらも行間から喜びが伝わってくるようだった。
小倉山は小倉百人一首のゆかりの地。
日本の古典文学に携わっている方なら、こんな場所に住むことはさぞや嬉しいことでしょう。
素晴らしい環境だ。
いにしえ人の気配がしそう。

でもリアリストの私は落ち葉の掃除が心配でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　六義園　　東京・駒込

 隣人の家の駐車場にしばらく車がない。

ご夫婦共に運転していたけれど、いずれも70代。
年齢を考えて手離したのかもしれない。

それがきっかけで近所の家の駐車場を見てみると、なんと、あちこちの家から車が消えているのだ。
目についただけで5軒でなくなっている。
いずれも私よりは年齢が高い方たちだから70代から80代というところだろう。

高齢者の車の事故が多いから、免許を返納したのだと思う。

私の知人では80代の男性がふたり、返納したと言っていた。
今はバスに乗っている。
また、70代の人は子供に「そろそろ返納したらどうか」と言われているそうだ。

私は生涯にわたって車を持ったことがない。
夫も同じ。
子供の頃から車なしだから、車がないのが当たり前の生活。
世田谷区住まいなので、買い物や病院などほとんどが徒歩圏だし、最寄り駅へも歩いて行ける。
バスもたくさんあり、とても便利なところなので車がなくてもなんでもない。
だから、近所の皆さんも車を手離してもさほどの痛痒はないのではないだろうか。

高齢者がブレーキとアクセルを踏み間違った事故が何回も起こっているが、私はとても寛容にはなれない。
少なくとも東京に住んでいるなら、自家用車なしでも暮らせるはず。
自家用車の維持費をタクシー代に転用すればいいのに。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　駒沢公園

またもや新型のコロナウィルス、オミクロン株が発生したとのこと。

このところ、日本では感染者数が3桁まで下がったので気分が明るくなっていたのに。
このまま終息するとは思っていなかったけど、それでも楽観的になっていたのは私だけではないと思う。

習い事を再開したり、旅行を考えたりして、こうして日常生活が戻りつつあるんだなと思っていた矢先に立ち現れたオミクロン。

気持ちが明るくなったところにカウンターパンチを打ち込まれたので、なおさら衝撃が大きい。
ああ、いったいどこまで続くのか?!

パンデミックはまだ数年は続くのだろうか?
いつかは終わるんですよね???
(終わらなかったりして)

どちらにせよ、感染者が大きく減ったのは日本だけで、世界ではまだまだ続いている。

海外からの外国人の入国をいち早く制限してもらったので、やや安心感はあるとはいうものの、それでもどこかから侵入してくることは避けられないだろう。
パンデミック対応の現在の生活スタイルが、これからの「日常」と思わなければ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新宿御苑　温室

コロナのため1年半に及んだブランクのあと、再開したお茶の稽古。
今日は2回目の稽古に行ってきた。

1月には初釜をするそうだ。
初釜といえば着物。
ただ、ここ2年ほど着物を着ていないのでちゃんと着られるか不安。
やはり、継続的に着ていないと勘がにぶると思う。

そこで、稽古に着物を着ていくことにした。
いつもは洋服なので、正直、めんどうだけどいたしかたなし。

久しぶりに着物を取り出し、あれこれ用意をした。
長ーいゴムベルト様のものがあって、

「なにこれ? え? なに?  こんなの、あった?」

それは腰ひもに使っていたゴムベルトなのに忘れていたとは、相当ぼけている。

着物をなんとか着て、さあ、次は帯。
調子よく巻いてはいったものの、

「あれ、このあとどうするんだっけ?」

わからなくなっちゃったんですよね。
何十回も着てるのに!

やむを得ず、着付けの本を取り出して本を見ながら仕上げた。

約10年前から着物を着始め、悪戦苦闘してきた日々がよみがえる。
ずいぶん苦労したものです。(涙)

そして着物で稽古場に行ったところ、先生にも、社中の皆さんにもほめて頂いた。
心優しい皆様。

こうして以前のような日常に戻っていくんだなと実感した。

ところが、世界ではまたコロナの新型株が出ているらしい。

また?!
予想されていたとはいえ、心萎えます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　五島美術館の庭

コロナのためしばらく展覧会を見に行くこともなかったが、久しぶりに出かけてみた。
五島美術館の「アジアのうつわわーるど」です。
五島美術館は家から近く、こじんまりしているので行きやすく、しばしば見に行ってます。

だけど、基本的に館蔵品中心の展示なので何度も行っていると「これ、前にも見た」ということが多くなるんです。
まあ、お宝が無尽蔵にあるわけではないからいたしかたないですよね。

ただ、今回の「アジアのうつわわーるど」は町田市立博物館所蔵の作品の展示。
町田市立博物館がリニューアル工事中なのでその間に借りて展覧会を行ったということです。
いいアイデアですね。

お客さんもいつもより多かったように思う。コロナの感染者が減ったという安心感と、いつもと違う作品が見られる期待感があいまって多いんじゃないかな。

タイ、ベトナム、クメールなど日本とも中国とも似たようで違う器の数々でした。

ところで、現在、畠山記念館も改築工事のため休館中。
この美術館にも私はしばしば行くので休館は寂しいのですが、なんと!

現在、「畠山記念館の名品」として京都国立博物館で展覧会が開かれているそうだ。

なんか、急に畠山が晴れやかな表舞台に登場した!という感じがする。
どんなふうに展示されているのか見てみたい気もするな。

私にはおなじみの畠山の学芸員さんも京都で講演をしたようだ。
京都の皆さんのハートを鷲掴みにしたのでは?
いやいや、別にアイドルじゃないんだから。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　横浜　三渓園　春草盧

コロナの感染者がかなり減ったので、ついにお茶の稽古を再開する決心をした。
11月からはちょうど炉になるので、タイミングもいいし。

「決心をした」
と書いたけど、ずいぶんおおげさに聞こえるかもしれません。
でも、ほんとにそんな気分なんです。

「点前を覚えているだろうか」
という不安です。
1年半も何にもしてなかったんだもの、全てがリセットされてしまったかもしれない。

一応、前日に復習はしてみたけど、心許ない。
「だいじょうぶかなあ」
と不安をかかえつつ、師の家の玄関を開けるとそこには知らない顔がふたつも。

『ああ、私が休んでいる間に新しい生徒さんが増えたんだな。浦島太郎状態だ』

ちょっと落ち込む。

でも、ひとりはマスクで顔がわからなかっただけで前からいる人、もうひとりは見学者だった。

「お久しぶりです」
と皆さんと挨拶。
先生とはたまに電話でお話をしていたので、あまり久しぶりの感じはしない。

初回だったので、薄茶と濃茶の平点前を稽古した。
点前は、まあまあかな。

こんなに長く休んでいたのは私だけかなと思って恐る恐る聞いてみたら、いろんな人がいるようだった。

コロナのために仕事がなくなってしまって、行くところがなく、そのためお茶の稽古に入り浸っていた人もいるらしい。
あるいは夫がコロナで家にいるようになって出ずらくて、休んでいた人とか。
いまだに何も連絡がない人もいるらしい。

「来年の初釜の茶室が借りられたから、あなたはこれをしてね」
とさっそく先生から役割を振られた。
着物もずっと着てないから、勘をとりもどさなくちゃ。

いよいよ始まるんだな。

まったくのゼロから始めたピアノ。
1年4カ月が過ぎました。

ピアノって脳のトレーニングになるんじゃないでしょうか。

だって、まずは楽譜を読まなくてはならない。

それも右手と左手とふたつの楽譜があって、それを同時に読まなくてはならないんですよ。
しかもト音記号とヘ音記号では読み方が違う。

で、脳は読んだ楽譜を指に伝える。
すると左右の指はそれぞれ違う動きをして鍵盤を叩き、音楽を奏でるわけです。

複雑だなあ。
脳にとってはこれまで経験したことのない類の複雑さなのではないでしょうか。

でも、何回も何回も練習しているうちに、どうも脳に「ピアノ回路」とでもいうべきものが開ける感じがするんですよね。

「ピアノの練習は脳の老化を防ぐことができる」なんていう実験があるかどうかは知らないんですが、その可能性はあるかもしれない。

ただし、私の場合、あまりご利益にはあずかってないかも。
物忘れなどには効いてないことは断言できる。

私はできるだけいろんな抹茶を試してみるようにしている。
だからスーパーで売っている抹茶も何種類か飲んでみました。

私の結論は残念ながら、

「スーパーにうまい抹茶なし」

缶に入った抹茶を売ってはいるけど、どこも1種類しかない。
値段は高くはないが安くもない。
とは言え、初めて抹茶を買ってみようと思う人にとっては高いでしょうね。
いずれにせよ、満足できる抹茶はなかったです。

ところが、スーパーで売っている某大手飲料メーカー製の袋入りの抹茶は意外にいけると言う人がいたので、買ってみた。

飲んでみたら、正直、まずいっ!
思わず顔がゆがむほど。
夾雑物が多くトゲトゲしい味とでもいうか。

この抹茶をひと袋飲むのは耐えられない。
捨てたい。

しかし、食べ物(飲み物)を捨てるというのはお天道様に顔向けできない。
あ、抹茶ラテにすればいいかな?
しかし、そんなにいっぱい抹茶ラテを飲むのか?

その日は90度くらいの湯で点てたので、とりあえず明日は70度くらいで点ててみることにした。

そして、湯冷ましでさましたお湯で点ててみたところ、

「あれっ?  それなりに飲めるな‥‥」

決して「おいしい」とは言えないが、「ひどいっ」というほどのレベルではない。
ずいぶん湯の温度で違うものだということがわかりました。
だから、おいしくない抹茶は高温ではだめで、低温ならまあ耐えられるってことなのかな???

しかし、その抹茶はナニモノなのか?
30ｇ入りで税込み494円。
激安ですよね。
「抹茶」という表示があり、「石臼びき」とも書いてあるんですよ。

抹茶の値段と味の関係ってどうなっているんだろう。
業界の人にぶっちゃけ話でも聞いてみたい。

この籠は亡父が買ったものだそうだ。
田舎のバス停でバスを待っているとき、そこにあったよろず屋の軒先にぶら下げてあったので買ったとか。
もう50～60年前のことだろう。

材質はたぶんぶどうの皮。
編み方はだいぶ雑に見える。

母が言うには、

「これは山仕事をする人がここに砥石を入れて持っていくための籠。鎌が切れなくなったら、その場ですぐに研ぐから」

とのことだった。
ここにコップをいれて花入れとして使っている。

花はほととぎす。
お茶の友人が「増えすぎたから」と言って株をくれたものだ。
庭に植えたらちゃんと根付いた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　箱根　　仙石原

次に、動画で「実は100度Cで点てた抹茶がおいしかった」という方がいました。

「これはお茶の世界の常識に反するが、一番おいしかった」

というようなことを言ってていた。

それを見たときは、私は、

「ええええ、そんなことないでしょう? 」

と眉につばした。

高価なお茶ほど低温でいれるのが常識。
煎茶は水出しが一番おいしいと思っております。

でも、100度のお湯でさっそくやってみましたよ。
やかんで思いっきり沸騰させてそのまま茶碗に注いで点ててみた。

そうしたら、意外においしいじゃないですか。
このごろ、自宅で飲む抹茶はいつも湯冷ましで70度Cくらいまで冷ましてたんだけど、そんな必要ないかも。

高温で点てたら、苦み、えぐみなどの雑味が出るような気がしていたんだけど、もしかしてそれはお茶の問題で、湯温の問題ではなかったのかもしれない。
味覚は主観だから、本当のところはわからないですけど。
でも、100度CでOKなら、湯温についての苦労はないですよね。
なんでも「常識」と思い込んじゃだめなんだな。

ところで、本とか抹茶の商品パッケージには抹茶ひとり分は判で押したように「2ｇ」と書いてあるけど、家庭で「2ｇ」を計れる人はどのくらいいるものだろうか。
こんなに軽いものを計るのはちょっとハードルが高いような気がする。

ためしに計量スプーンの小(容量5ml)で計ってみたところ、すりきり一杯でほぼ2ｇでした。
だから、『2ｇ(小さじすりきり1杯)』と表記したほうが誰にでもわかると思います。

私も結構マニアック気質なところがあるので、自宅でお茶を点てるのに0.1ｇ単位のキッチンスケール、温度計、計量スプーンなどおよそお茶の世界にはなじまない道具を並べてるんですよね。
師匠が見たら、

「まあっ、あなたっ」

って言うかも。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京都　大徳寺

コロナのためにずっとお茶の稽古には行ってない。
でも、家では毎日のように抹茶を点てて飲んでるんですよ。
(お点前はしてません。台所で点ててるの)

よりおいしいお茶を点てるには、と考えながら点ててます。
有益な情報はないかなと動画などを見るんですが、たいていは通り一遍のことしかでてないですね。

その中で、マニアック系と思われるチャンネルを発見。
抹茶を点てる際のお湯の温度について実証実験をしていました。

私もね、ずっと温度については疑問があった。
玉露などいいお茶はかなりの低温でいれますよね。
抹茶も低温のほうがおいしいんじゃないかなと思っていました。

ところが茶道の場合はお釜から直接茶碗にお湯を入れるから、湯をさますというプロセスがない。
お釜なら煮えたぎっていたら水指から水をいれるという方法があるけど、鉄瓶は無理。
温度調節は難しいですよね。

よくお客にお茶を出すときに、

「お熱いのでお気をつけて」
「お煮えがついておりますのでお気をつけて」

などと声かけします。
でも某先生によれば、

「そんなこと言うなら、最初からちょうどいいお湯加減で出すべきである」

とのこと。
それは正論だけど、うーん、どうしたらいいの?

先の実証実験をしていた方のチャンネルでは、摂氏70度が一番おいしいという結論でした。
それは茶席を前提とせず、家庭で普通に飲むのが前提なので、お湯を湯冷ましに移して70度までさましてから点てていました。

「70度」という説が出たので私もさっそくやってみました。
温度計と、湯冷ましを用意し、湯温が70度まで下がってから点ててみた。

そうねえ、確かにおいしいけど、あと一歩で「ぬるい」と思われるギリギリの線ですねえ。
70度で点ててもどんどん湯温は下がるし、すぐに飲むとも限らない。
ぬるい抹茶は避けたいですね。
だから、自分で点てて飲むならいいけど、お客さんに出すのはいかがかなと思いました。

また台湾のドラマを見ていた。

愛の告白→恋の成就みたいな緊迫したシーンです。
主人公ふたりは当然中国語でしゃべってます。

ところが‥‥

『あれっ、今、日本語が聞こえたような?  幻聴??』

もう一度そのシーンを確認してみたら、ひとりの俳優が正真正銘の日本語を話している。
しかも、ネイティブの日本語だ。

「だいだいだいだい、大好きーー!」

なんて、歩道橋の上で叫んでるよ。

これはいったいどういうことなの?と驚いた私はさっそく調べてみた。

その俳優さん(男性)は日本と台湾のダブル。
名古屋で生まれ育ち、高校までは名古屋にいたそうだ。
大学は台湾。

本人は、
「めちゃ中国語を勉強した」
とのことなので、バイリンガルではないらしい。
でも私の耳には普通の中国語に聞こえるな。
言われてみれば、彼の中国語はソフトで優しげかも。

ドラマの中でも台湾人と日本人のダブルという設定なので、部分的に日本語を使っているらしいです。

ところで、このドラマを見た中国人のコメントに、

「えっ、ちょっと待って。台湾の人ってこんなに普通に日本語をしゃべってるの?  びっくりなんだけどー!」(意訳)

というのがあった。
ほかの人が、

「彼は日台ダブルなんだよ」

と答えてた。

実はほかの台湾ドラマでも、突然、

「シアワセー!」

というセリフがと飛び出して驚いたこともある。
みんなで食事をしている居酒屋には、「大吟醸」とか「キリン一番搾り」とか日本語であふれていてどうも日本式居酒屋らしいと気づいたり。

私は中国語を勉強中なので少しだけ中国語のセリフがわかるようになった。
だから中国語のドラマや映画を見るのが楽しい。
そこに日本語や日本文化が出て来るとさらに興味深いですね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新宿御苑

台湾のドラマを見ていたら、ある家が気になった‥‥

『あれっ、この家、日本の家に似てるな』

庭に面したガラス戸、縁側っぽいスペース、何より畳が敷いてあるじゃないですか。
床の間みたいなものもあったかも。
平屋に見えた。

「日本の家」と言っても、今現在の日本にはほとんど失われた建築様式だ。
存在したのは1960年代くらいまでかなあ。
サザエさんの家みたいな郷愁をさそう住宅だ。

台湾には日本の統治時代に日本人が建てた建築が残っていると聞くので、そんな建物のひとつかもしれない。

だったら相当古いと思われるけど、手入れがよさそうでした。

しかし、なぜそんな家が現代の台湾ドラマに?

どんなシーンに使われていたかというと、抗争するヤクザ同志の手打ちみたいな場面だ。
座敷に二人のヤクザが座り、年長のヤクザが中国茶を淹れている。
それが古式の淹れ方に従って優雅に淹れてるんですよね。
あたかも日本の茶道のように。
どうも焙(ほう)じているようだったけど、それは未確認。

若いほうのイケメンヤクザは一人の時も、手順に従って中国茶をきちんと淹れて飲んでいる。
背筋がビシッと伸びていて姿がいい。
台湾のヤクザ、すごいな。
(ドラマの中だけでしょうけど)

私がさらに驚いたのは、ドラマの中で若いヤクザが年長ヤクザを「さん」づけで呼んでいたことだ。
どう聞いても「さん」と言っている。「陳さん」みたいに。

「さん」って日本語でしょ?
台湾ではそんな呼び方をするの?
これ、どういうことなんだろう。
ちょっと調べてみたら、日本統治時代を知っている台湾人の中にはそういう呼び方をする人がいるとか。
でも若いヤクザはどうなの?
ヤクザ界のしきたりとか?
どういうことなのか知りたいなあ。

話は違うけど、以前、渋谷の道玄坂に台湾人がやっている中国茶の店があった。
茶葉や道具も売ってるけど、店でもお茶が飲めたんです。
飲み方も教えてくれて。
飲茶みたいなものもありましたね。
とても素敵な店で好きだったのに、閉店しちゃって残念だった。
「店は順調だけど、親の世話をするために台湾に帰ります」というようなことが店に貼ってあった。

台湾の中国茶といえば台北の故宮博物院のティールーム。
クラシックで落ち着いていてとてもいいティールームだった。
私が行ったのは30年くらい前だけど今もあるかな?
また台湾に行きたい。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旧・前田邸の展示

友人からのラインによると、外出を自粛しているために「コロナブトリ」になったんだそうだ。
でも、話を聞くとさほど生活に変化があるようには思えない。

肥満の原因をコロナのせいにしているのでは?

片かなで書くと、なんだか「コロナブドリ」という希少種の植物とか、珍獣のような響きだ。

コロナによる外見への影響は結構ある。

私はコロナ前は美容院には約40日に1度は行っていた。
割にこまめに行ってたんですよね。
だって、ボランティア活動とか、お茶とか、人前に出ることが多いので外見を整えていたかったから。

それがおよそ人前に出ることがなくなったので、美容院には3カ月に1回くらいしか行かなくなった。
感染を避けたいのもあるんですけどね。

髪が伸びているとまるで「猩々」みたい。
髪の毛、いっぱいあるから。

美容師さんに聞くと、やはりほかのお客さんも来店の頻度は落ちているらしい。

こういうふうな、コロナによる些細な変化って色々ありますよね。
化粧はほとんどしないとか。

終息しても全部もとに戻るということはないかも。

やたらと丁寧に手を洗うとか、なんでもなくてもマスクしてるとか、そういうのは続きそうだな。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　箱根　強羅　白雲洞

このところ涼しい日が続いて、気分がいいです。

コロナ、猛暑、降り続く雨、と三重苦のために家に引きこもってばかりいた。
人との接触もなく孤立しているかのような日々。

でも涼しくなったので、久しぶりに散歩に出てみた。

目黒川に沿って歩き、公園に寄ってみると、すっかり秋。

公園の花壇は雨や風に荒れた風情で、抱一の「秋草図屏風」のよう。
蝉の声は力が無く、虫の音のほうが勝っている。
萩やコスモスが咲き始めていた。

「なんだか昔に戻ったみたい」

こんなふうに普通に散歩しているとコロナ以前に戻ったかのような気がする。

目黒美術館の前を通ったら日本の「包」の展覧会をしていたので、入ってみた。
でも、最終日だったからか結構混雑していたのでやめた。

ワクチンを打っても感染することがあるらしいので用心しています。
まだまだコロナは終わってないんだな。
いつ終わるんだろう。

こうしている間に年取っちゃうんですけど!

筋肉で有名な俳優が、

「同じメニューの筋トレを20年くらい続けている」

と話していた。
それを聞いて、

『え、20年もおんなじことしてるの?  それじゃ、効果が薄まっているんじゃない?』

と思った。
でも待って!

それ、私じゃん!

そうです、私も同じダンベル運動を20年くらいずーっと続けているのです。
でも、効果があるのかないのかはっきりしないまま、惰性でやってたんですよね。
健康診断のときに、運動関係の面談でその話をすると、
「それは効果が落ちている可能性があるからトレーナーと相談したほうがいい」
とアドバイスを受けてはいたんですが、なんだか面倒でそのままにしてた。

その20年続けていたダンベル運動は、そもそもは雑誌の「家庭画報」に出ていた記事を見て始めたもの。
「ターザン」じゃなくて「家庭画報」というところが私らしいなと思って笑える。

とにかく、反省した私は別のダンベル運動を始めようと思って、YouTubeで探した。
ダンベルの動画はあるにはあるんだけど、チャラ男のレッスンとかは嫌だし、科学的な根拠に基づいているか不明なものも嫌。
変な動画を見て運動したら、へたしたら体を壊しちゃいますからね。

なかなかコレというのが見つからなかったんですが、ようやく納得いく動画を発見。
それはかなり古い動画らしいんですが、然るべき専門家の指導が入ったもの。
約10分くらいの運動が2本あるので、交互にやってます。

そのあとエアロビクスを50分くらい。
あとはストレッチなど。

コロナや猛暑や豪雨で外に出られないこの頃、家の中で運動しております。
言って見れば、運動不足恐怖症なんですよね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旧前田邸。ウィリアムモリスのカーテン

昨年の7月に購入した電子ピアノ。
コロナ禍の引きこもり生活の中で思い切って独学を始めました。

それから1年。
ほとんど毎日弾いてます。ちゃんと両手でね。

上達しているのかどうかはわからないけど、始めた時は「ゼロ」だったんだから、まあ、それなりに進んでいるとは言えるでしょう。

今はきれいな練習曲を集めた楽譜集で練習しています。
つまり面白くない練習曲ではなく、弾いて楽しいクラシックの練習曲を並べた本です。

いろんな曲があるから面白い。
最初に楽譜を見たときは、
「難しそう。到底弾けるとは思えない」
とおじけづくんですが、何度も練習しているうちに形になってくる。

最初はぼんやりした輪郭しか見えないんだけど、徐々にピントが合ってきて、
「ああ、こういう曲だったんだな」
とわかってくる。そのプロセスが楽しいですね。
何度でも弾きたくなる。

ところで私のように大人になってからピアノを始めた人用の教則本はたくさん出版されている。
「大人の」と銘打ってある本です。

そういう本は音符に「ド」「ファ」とかカタカナがふってあるんですよ。
そりゃあ、音符を読むエネルギーがいらないから楽には違いないんですが、なんだかなー。
そういう楽譜で弾いてるのが、なんか恥ずかしい。
だから、今はカタカナがついてない楽譜で練習してます。
もちろん読むのは大変なんですけど、いずれは覚えると思って。

「大人の」と付いている教則本は表紙に、やたらと、

「すぐに弾ける」
「カンタン!」
「一番やさしい」
「丸わかり」
「どんどん弾ける!」

などと書いてある。
もちろんそんなの全部ウソ。
そんなにカンタンに弾けるわけないだろ!
不当表示で消費者センターに訴えられるレベルだね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本近代文学館(駒場)

テレビが壊れてもあまり困らない。

普段はNHKかWOWOWしか見ないんだけど、いずれもPCで視聴可能だから。
でも困ったのは、新しいテレビにすると、録画に使っていた外付けHDの中身が雲散霧消してしまうこと。

まあ、いつかこの日が来るとは思ってました。
虚しい‥‥

ル・ポアゾン、ドリームキングダム、バビロン、ミリオンドリームス、ロイヤルのアリス、ロイヤルのナットクラッカー、
Call  me   by  your  name、陳情令などなど全部消えました。

さようならー(涙)

そして新しいテレビを購入した。
我家にも文明開化が!

この機会にPC、スマホ、テレビがWi-Fiを使えるようにしたのです!

だからテレビでもYouTubeが見られるようになった。

オリンピックが始まってからNHKBSはMLBの実況中継をやめてしまったので怒髪天を衝いたが、でも大丈夫、YouTubeで見られるから。
テレビの大きい画面で見てます。

オリンピックのせいで、いつも見ていたBSのワールドニュースもなくなったし、Eテレの語学番組の再放送もない。
もおっ、NHKは私をないがしろにしているなっ!💥

オリンピック一色になってしまったNHKだが、Eテレの「おかあさんといっしょ」を始めとして幼児番組はやってますね。
これを中止にしたら、全国の幼児の皆さんとその親御さんが激怒ですよね。
オリンピックも泣く子には勝てないね。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　旧前田家　和館

教室で仮名の稽古を始めるにあたり、私は硯を購入した。

それは「三五度」(さんごたび)と呼ばれる小さな硯。
縦105ミリ、横45ミリ、厚さ13ミリという小ささだ。
仮名は少ししか墨を使わないので、これで充分。

持ち運びに楽な軽い硯が欲しかったということもあるが、前から私は小さい硯にひかれていたのです。

その硯に最初に出会ったのは、鎌倉で開催された聞香会に参加したとき。

聞香は香や自分の名前を筆で書く。
そのために硯と墨、水滴、筆のセットがまわってきた。
そのセットは重ねてあって、縁高のように取り廻す。

硯に１、2滴の水を入れ、自分で墨をすって書く。

それがおもちゃのように小さい繊細な硯で、一目見て、

『ステキッ!』

となっちゃったわけです。

その後、お茶で且座(さざ)の稽古をしたときもそのセットが出て来た。
そのセットは「重硯箱」(じゅうすずりばこ)というらしい。

憧れていた小さい硯を手に入れてうれしい。

ところで、新聞の連載小説に、母親が息子に習字を教えるにあたり、まず墨をするときの姿勢から教えたという記述があった。
戦前の話です。

そうか、墨をするにもまずは姿勢をたださなければいけないのね。

また、泉鏡花の小説にはこんな話があった。

叔父さんから墨を借りて使ったら、斜めになってしまった。
それで叔父さんから大変叱られた、という話。

そうそう、墨って斜めになっちゃうのよね。
几帳面な方はやはりそれを嫌うんですね。
私もこころしなければ。

いろいろ勉強になります。

現在の書道の先生に入門以来、楷書、行書、草書と進んできた。

楷書が一番難しい。
草書は比較的好き。

先日、先生に、
「次は仮名をしましょう」と言われてテンションが上がった。
本当は仮名も書きたかったんだけど、どうもそういう雰囲気がないので残念だなあと思っていたから。

教室で仮名を書かないので、私は独学をしておりました。
教材はいくらでもあるので、手本を見ながら臨書をしてた。

いろんな和歌を書き続けていました。
主に古今和歌集だけど、「世の中を憂し」と思っている歌がやけに多いことに気づいた。
昔の人は憂鬱だったとみえる。
漢字とは全然違う繊細な世界です。


ところで、教室ではいつも墨汁を使っている。
『仮名を書くときは墨はどうするんだろう?  まさか、あの真っ黒い墨汁を使うの?　それ、ないよね 』
と思っていたところ、先生から質問が。

「ゆきさん、硯と墨、持ってますか?」
「はい、持ってます」
「じゃあ、それを持ってきてください。仮名は墨をすって書きますから」

ああ、良かった。
やはり墨をするのね。

しかし!
数年は書道をしている人間に、

「硯と墨、持ってますか」

と聞くとは?!
持ってない人、いるの?

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雨の国立新美術館

「内容、規模において、我が国最大の書道展」に入選した。

と書くと「凄い!」みたいだが、いや、別に凄くないんです。
とにかくたくさんの人が入選するので、その中のひとりにすぎない。

ともあれ、コンクールに出すなんて夢にも考えていなかったのに、こんなことになるとは人生わからないもんだ。

「こんなとこに踏み込んじゃった!」

という気分ですね。
場違いというか‥‥

東京都美術館に展示されている自分の作品は、こじんまりとして力弱いのでがっかりした。
大きな会場では見映えがしないので、次回はもっと大胆に書いてみたい。

ところで社中(というのかな?)でこの書道展の見学会があったので参加した。
普段は滅多に顔を合わせない方たち。
多くが60歳以降に書道を始めたとのこと。
なかには「8０の手習いで始めた」という人も。
私なんて若手である。

皆さん、気がいい人ばかり。
久しぶりに知らない人と話をした気分でした。

今年もカサブランカが咲いた。

昨年球根を植えたので、今年は2年目。
またまた清楚でゴージャスな花を咲かせた。

昨年は花が終わってからも、たまに肥料をやりながら大切にしていた。
そうしたら1年目と遜色ない花が。

チューリップなどは2年目に咲いたためしがない。
それに比べるとカサブランカは偉い。
値段は高いけど、それなりのことはある。

今年は添木をしなくても自立できるかどうか試してみた。
というのは、神代植物園で添木なしで育っているカサブランカを見たから。

結果、だめだった。

背が高いので、倒れてしまう。
蕾が付きだすと、さらにその重みで倒れる。
残念!
来年は強固な添木をしなければ。

花が咲きだしてから切って、部屋に飾った。
この上ない豪華さだ。

新聞を読んでいたら、谷川俊太郎さんの本の広告に谷川さんを「国民的詩人」と紹介していた。

谷川俊太郎さんって「国民的詩人」なの?
いつから?
知らなかったなあ。

私も家人も谷川さんの詩は知らないし、もちろん彼の詩の一節をそらんじるなんてことはない。
だから「国民的詩人」と言われてもピンとこないんです。

家人としばし、
「国民的詩人」について話し合った。

明治から戦前の昭和までは、優れた詩がたくさんあったと思う。
でも現代には多くの人に暗唱される詩なんてないですよね。

じゃあ、納得できる普遍的「国民的詩人」は誰なのか。

「そりゃあ、芭蕉でしょう」

ということで一致した。

外国人は日本の新聞に毎週読者の和歌・俳句が掲載されているのに驚くとか。
「日本にはこんなに詩人がいるのか?!」
って。
確かに俳句は日本のメジャーな趣味ですよね。

そういえば、私は新聞に出ている谷川俊太郎さんの詩は読まないが、歌壇、句壇は結構読んでいる。
日本人の心は定型詩しか受容できないのかも。

しかし、もしかしたら、現代の「国民的詩人」は松任谷由実とか中島みゆきかもしれないな。
これだけ広く愛好される詩(詞)はあまりないのでは?

いつものように筆を洗っていたら‥‥

なんと!
穂先が軸から抜けてしまったのだ!
それも勢いよくスポンッと!

ほんと、驚いた。
こんなことは初めて。

筆が含んだ墨汁を絞り出しているときだったんです。
だから力がかかったんでしょうね。

毛先がよくまとまる筆なので気に入っていたのに。
ネットで修復の仕方を調べたら、本来は膠(にかわ)を使うそうだが、それは現実的でない。

だから、なかったことにしようと思ってまた軸に押し込んだ。
でも、当然ながら次回も抜ける。
書いている最中に抜けたこともあった。

その都度、いちいち驚く私。

しょうがないので、ボンドでくっつけた。
しばらくはもったが、また抜けた。
またボンドでつけよう。

毎日雨が降り続いている。
もの皆、濡れ、湿り、ふやけている。

私は毎日のように家で書の稽古をしている。
雨の音を聞きながら、ひとり心静かに筆を持つのです。

稽古が終わると必ず筆を洗う。

ところが、このように雨降りが続くと筆がよく乾かないんですよね。
乾かないうちにまた使うと、筆が常時濡れた状態になりよろしくない。
ひどくなると腐るそうだ。
腐った筆って、想像するだにおぞまし過ぎる。

だから、筆は数本を用意して順番に使うのが望ましい。

それはわかるんですが、同じ筆を連日使いたいこともある。
そういうときは困りますね。

「そうだ!  ドライヤーを使ったらどうかな」

と思いついた。
筆の材料は獣毛。
人間の毛だってドライヤーで乾かすんだから、タヌキやイタチの毛だって使ってもいいのでは?

でも、それって博打だな。
筆をドライヤーでブロウして、ウェーブなんか出ようものなら取り返しがつかない。

ネットで調べてみたら、やはりドライヤーで乾かしてはいけないと書いてあった。
ま、予想された答えだ。

でも本当にやった人、いるんだろうか?

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　夏用のクッションカバーを購入。とても素敵

先週、コロナのワクチンの2回目を接種してきた。

事前の問診では、1回目のあと副反応が出たかどうかを聞かれた。

「そうですねー、当日の夜は腕が痛かったです。あと10日くらいあとに頭痛がありました」
「10日後?   それは副反応ではないかもしれませんね」

確かに。
でも、私は普段は滅多に頭痛なんてないので気になったんです。

2回目のワクチンを打つとき、女性の医者が、

「荷物はここに置いてくださいね」

とかなにかと親切だった。
医者っぽくないなと思ったら、看護師さんでした。
納得した。

今回も腕は痛かったけど、思いのほか副反応はあまりなかった。
若干頭痛がした程度。
バファリンを飲んでしのぎました。
発熱もなし。

さあ、これであと1～2週間すれば、コロナも怖くない体になれるのかな?
いやいや、油断はできない。
ワクチンを打ったけどコロナにかかったというニュースはよく目にする。
でも当初から、「かからないわけではないけど、かかっても軽くてすむ」という話だったものね。
インフルエンザと同様ということですね。

これから毎年、コロナのワクチンを打つことになるのだろうか?
インフルエンザはどうなるんだろう?
いや、その前にオリンピックで日本はどうなるかだな。

久しぶりに美術館に行った。

このことを例えるなら、ずっと海に潜っていたけど、やっと水面に出て息をしたという感じ。
日頃は出かけていないわけではないけど、コロナのためにほとんど近所ばかり。

今回は人形町、日本橋と華やかな街に行ってウキウキしました。
次の緊急事態宣言が出されるまでのちょっとの間の外出です。

三井記念美術館の今回の展示は「茶箱と茶籠」。
「是非見たい」テーマです。

たくさんの茶箱や茶籠が出てましたけど、茶道具というよりは、ままごとセット?
ミニチュアの世界でしたね。
「この道具では小さすぎてお茶は点てられないんじゃないかな」
というものが多かった。

実用が目的じゃないんですね。
ミニチュア道具を集めて人に見せて自慢するのが目的だったのでは?
あるいは子供たちが遊んだかも。
おもちゃのような道具を囲んで、代々の三井家の人たちの笑いさざめきが聞こえるよう。
今はガラスケースの中に静まり返っているけれど。

会場はほどほどの混み具合。
「茶箱と茶籠」なんて展示を見に来る人たちは、皆さん、お茶をしている方たちなんでしょうか。
「皆さん、お稽古はどうしていらっしゃるんですか?」
と聞きたかった。
知ってる人がいないかなと思って見てみたけれど、いなかった。

人形町では松栄堂で買い物。
日本橋では千疋屋のカフェでお茶。
丸善にも行った。
日本橋は落ち着いていて、おしゃれで、いい街。

しばし、コロナを忘れました。